「古都京都の文化財」 ユネスコ登録 15周年記念特別講座
世界遺産に知る京都の魅力・活力・文化力 第1回
-ビジュアルで再発見。京都の世界遺産-
日時:2009年5月9日
会場:京都商工会議所 教室
講師:堤 勇二先生 京都学院大学 非常勤講師
世界遺産にまつわる、魅力的なお話が玉手箱のように次から次へと飛び出しました
1.京都観光と世界遺産
京都が都であった期間は1074年間 (794年平安京~1868年明治政府誕生)
その都の文化が、今でも生活の中に行き続けているのが京都
【キーワード】
見る観光から知る観光へ 通り過ぎる観光から立ち止まる観光へ
ここで清水寺観光の一例が示される
先生が調査されたところによると、清水寺の平均滞在時間はなんと30分
仁王門→舞台→地主神社→奥の院(ここから舞台を眺める)→音羽の滝→帰路(三重塔を眺めながら)
このルートがほとんどだそうです
ここで先生は、写真を使いながら清水寺を案内してくれる
産寧坂の名前の由来(諸説)、坂にあるひょうたん屋さんのこと
経書堂(きょうかくどう)では、石にお経の一文字を書いて奉納することなど、石にまつわるお話
大日堂は真言宗。清水寺はかつて法相宗(今は北法相宗)と真言宗を兼ねていた
・・・
清水寺に入るまでに、清水寺を知る見所はたくさんある
仁王門に入る前に、善光寺には首振地蔵。今のお地蔵さんは2代目、初代は格子の中
仁王門前の狛犬。お寺なのに?これは地主神社の狛犬。両方「あ」口
(地主神社は昔、清水寺の鎮守社。今は独立。)
鐘楼の横には 鹿間塚(しかまづか)。坂上田村麻呂が妻のために鹿狩りをし、鹿を葬ったところ
(清水寺は、坂上田村麻呂が夫人とともに千手観音を造り、お堂を建てたのが始まりとされる)
なかなか前に進めませんね。でも、楽しい!
三重塔の鬼瓦。東南隅だけ龍。
随求堂(ずいぐどう)の屋根部分。京都ではあまり見られない「鏝絵(こてえ)」
轟門では梟の手水鉢。なぜ ふくろう?
ここで料金を払います。(ここまでタダ!)
舞台の屋根の形は「起り(むくり)屋根」。屋根の形がきれいに見える撮影ポイントは・・・
濡れ手観音は代受苦(だいじゅく)観音。音羽の滝の源泉をかけることにより、滝行を代わり行ってくれる
境内にある茶屋ふたつ。忠僕茶屋と舌切茶屋。西郷隆盛とともに逃れた月照ゆかり。その理由
おもしろいエピソードばかり。とてもじゃないけど、書ききれない。
もっと知りたい方は、堤先生の執筆された 『京都 世界遺産手帳』片手に清水寺へどうぞ
時間は30分じゃなく、半日とってね♪
■世界遺産登録条件■
史跡敷地・名勝庭園
国宝建造物 ⇒全てもしくは一部を満たす
歴史的価値保有、用保存
■京都の世界遺産■17件
【神社】 宇治上神社、上賀茂神社、下鴨神社
上賀茂・下鴨は平安京以前からある。伏見稲荷、松尾大社も平安以前だが、国宝建造物がない
神社と神宮の違いは?
⇒神社は神様を祀り、神宮は天皇もしくは天皇家を祀っている
大社は?
⇒大きな神社。同じ名前の神社を全国に持つ神社の総本宮
【寺院】 延暦寺(天台宗)
大津市と左京区にまたがる。平安京の東北鬼門で文化圏としては京都
清水寺(北法相宗)
金閣寺、銀閣寺、天龍寺、龍安寺(臨済宗)
西芳寺(臨済宗系単立)、高山寺(真言宗系単立)
単立寺院:教義は継続するが、経営は独立
醍醐寺、東寺、仁和寺(真言宗)
西本願寺(浄土真宗)
平等院(浄土・修験)
【城郭】 二条城
○拡大登録計画:エリア拡大
知恩院、大徳寺、禅林寺(永観堂)
…大徳寺は条件を満たしている。知恩院は国宝建造物あり。
○追加登録計画:基準追加
京都御所、嵯峨嵐山一帯
○追加登録検討
東山一帯、桂離宮、修学院離宮
京都御所、桂離宮、修学院離宮:皇室のものは国宝にならない規定があり、難しい
○新規登録を目指しているもの
祇園祭(無形文化財) など
2.京都の史跡・名勝(寺社関係のみ)と世界遺産
特別史跡・特別名勝をもつのは3ヶ所のみ
醍醐寺三宝院庭園(醍醐寺)
慈照寺庭園(銀閣寺)
鹿苑寺庭園(金閣寺)
「史跡・特別名勝」「史跡・名勝」「史跡」「名勝」と世界遺産
以上。第2回が楽しみです
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