京都検定現地講習会 ~醍醐寺の歴史と文化財~
日時:2007年4月21日
講師:龍谷大学文学部准教授 岡村先生
■醍醐寺の歴史■
醍醐寺は醍醐山まるごとがお寺で
ふもとの下醍醐(しもだいご)と山上の上醍醐(かみだいご)にわかれてます
874年に弘法大師の孫弟子・聖宝(しょうぼう)が上醍醐に創建 平安上期になると、後醍醐天皇が醍醐寺を信仰したことから注目されるようになる そして、上醍醐への参拝が不便なことから山下に下ろし「下醍醐」となる
もともと醍醐寺は上醍醐がスタートだったんですね
太閤秀吉の「醍醐の花見」が有名で、お花のイメージが強いですが、真言宗修験道の拠点です
■三宝院■
1115年勝覚によって建立された潅頂院が起源 ここは真言宗の重要な儀式、伝法潅頂の儀式を行うところで、醍醐寺の中でも高い地位にあった
桃山文化は金粉を使った豪華絢爛な襖絵など「派手さ」と茶の湯のわびさびにみられる「質素さ」
のギャップが特徴で、ここ三宝院では表書院の襖絵と、その奥の純淨観の茅葺屋根に
そんな桃山文化の特徴をよく見ることが出来る
三宝院庭園は1598年、秀吉が「醍醐の花見」に際して自ら基本設計をした庭園 聚楽第の庭から持ってきた「藤戸石」や 池にかかる橋の上に土を盛っていたり、 建物の下に池を通しているところなどが、この庭の見所
■唐門(国宝)■

唐門とは「唐破風(からはふう)」の屋根(丸みをもって曲がってる)をもっている門のこと 横から見るとよくわかります
唐破風は普通の屋根より、位が高い方が使われる門だそうです
門に白く残っているのは漆の跡。緑の部分は銅の上に金メッキがほどこされていた 秀吉の時代の唐門は 黒漆の中に金色が光っていた ということです 今見るの木の感じとは、全然イメージが違ってる・・・
目を閉じて、かつての姿を想像するのも楽しい。。。
■霊宝館■
ここの中の薬師如来座像(国宝)が醍醐寺のご本尊です お寺の中じゃなく、こんなにきれいな建物の中にいらっしゃるのが不思議ですが、 上醍醐に安置されていたものをおろされたそうです
■五重塔(国宝)■

951年完成。高さ38メートル、1/3が相輪部分 応仁の乱で焼け、京都には平安時代の建物はほとんど残ってなく、 戦火をまぬがれたこの五重塔は、京都府内最古の木造建築 奈良の法隆寺、室生寺に次いで日本で3番目に古い五重塔です
「逓減率(ていげんりつ)」:五重塔の古さを計る基準 5つの屋根が上にいくほど小さい(塔が四角すいに近い)ほど古い構造で 時代が新しいものほど下の屋根と上の屋根の大きさが変わらないそうです
これから五重塔を見られるときは、ちょっと注意してみようと思います
■蟇股(かえるまた)で時代を見よう!■
寺社の軒下、柱と柱の間の横棒の上にある装飾。蛙(ガマ)が股を広げた様子ににてることから。
古い時代のものはシンプルで、室町時代になると花などが出てくる 桃山時代は写実的な彫刻になってくるそうです
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清滝宮の蟇股 |
女人堂の蟇股 |
これからお寺にいったら、上を見上げることが多くなりそうです

最後にここが上醍醐への登山口 ここから歩いて約1時間半
醍醐寺は上醍醐がスタートと聞いたからには、是非訪れたいものです
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