京都検定講習会レポート

京を旅する

京いろいろ


毎月の京都検定講習会


日時:2007年5月 10:00~12:00
場所:京都商工会議所

講師:儀式作法研究会代表 岩上力(いわがみつとむ)先生


2007年 弥生コース レポート

「皐月」

「皐月」は字の意味からすると、白い光が大地にふりそそぐ月

「早月」「早苗月」ともいう


まずは「端午の節句」にまつわるお話

 ・端午の節句:端は「はじめ」の意味で、もともとはじめの牛の日をさす
  5月が牛の月であること、五(ゴ)が牛(ゴ)に通じることから、5月5日になった

 ・端午の節句の慣わしに関係の深いお話が、楚の時代の中国にあります

  民衆の信望を集める 屈原(くつげん) という政治家がいました
  屈原は陰謀によって失脚し、川に身を投げます

  その亡骸を鯉が運ぶと言われた→鯉のぼり
  屈原の亡骸を魚が食べないように、竹筒にお米を入れて川に投げ入れる→ちまき
  
  また、古代中国では5月5日に蘭の湯に入って身を清めたらしい→菖蒲湯
  
 ・なぜ男子の節句に?
  もともとこの日は、世間に邪気が存在するとされ、女性は「いみごもり」をした
  男性は 相撲、競馬、弓 などで過ごし、男子の節句になっていった
  
  厄除けに菖蒲を使い、「尚武(しょうぶ)」と音が通じることから、武家行事として定着していった


5月といえば、葵祭

 もともとは賀茂氏のお祭り(賀茂祭)

 飛鳥時代、欽明天皇の頃、勅祭(ちょくさい)となる
 この頃凶作が発生し、葵を飾り馬に鈴を付けて走らせ、五穀豊穣を祈ったのが始まり

 ちなみに 三勅祭 は、石清水祭(南祭)・春日祭・葵祭(北祭)

 嵯峨天皇の頃には、中祀(ちゅうし:最も重要な恒例祭祀)に準ぜられ、
 お嬢様が斎王として祭りに参加されました

 応仁の乱で中断後、徳川家の賀茂信仰と葵を家紋にしてたことから、再興
 このころから 葵祭 と呼ばれるようになる

 葵祭といえば、15日の路頭に儀(行列)が人気ですが、1日~重要な祭事が多くあります



◇◇今月の京菓子◇◇
とらやの「柏餅」

今月は とらや の 柏餅

延享3年(1746年)、柏餅と粽を御所に納めた記録があるそうです
つるんとした白いお餅と、甘すぎない餡 お餅も餡も、キメが細かく、さすがっ!
今まで食べた柏餅の中で、一番おいしかった