京都検定講習会レポート

京を旅する

京いろいろ


毎月の京都検定講習会


日時:2007年7月8日 10:00~12:00
場所:京都商工会議所

講師:儀式作法研究会代表 岩上力(いわがみつとむ)先生


2007年 文月コース レポート

今月は祇園祭に関するいろんなお話が聞けました
 
 
「暑おすなぁ」「祇園祭どすなぁ」

と岩上先生登場。これが、この時期京都でのお決まりの挨拶だそうです

 
祇園祭の歴史

869年 疫病退散の神事を行ったことが始まり
1467年 応仁の乱で中断
1500年 祇園祭再興

***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****

この後、1532年の法華一揆を経て、京の町衆が心をひとつに再度祇園祭復興の気運が高まる
室町幕府は神事停止を命じたが、町衆は

  「神事これなくても山鉾渡したし」

と反抗

また、幕府は山鉾を許さず、〆縄をはって阻止をはかるが、
その〆縄を断ち切ってでも進んだことから、〆縄切りが行われるようになったそうです
今でも〆縄切りには、京都人の祇園祭に対する深い、熱い思いが込められているとのことです

ちなみに、この復興の様子を描いた映画「祇園祭」(昭和43年・松竹)
一度見てみたいものです。。

***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****


祇園祭、京都通な見どころ

・粽(ちまき) 京都の家の門口や玄関に、飾られてる粽には、
        「蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)」と書かれた護符がついている
        これは、牛頭天王(ごずてんのう)に一夜の宿を提供し、あたたかくもてなした
        蘇民将来の子孫は疫病を免れる故事にちなむ

・巡行に際し、鉾が烏丸に終結するが、このとき、長刀鉾がバックするのを見ることができる
 バックする鉾が見れるのは、このときの長刀鉾のみ

・御旅所(おたびしょ)は八坂の神様においでいただくところ
 ここで町内で集めた疫神を神に預け、封じ込める

・山鉾巡行が終わった後、八坂神社から神輿が三基出てくる=「おいで」
 神輿は17日夜~24日まで、御旅所に鎮座

 この間、「無言参り」 が行われる
 四条大橋から無言で詣でると、願いが叶うという、芸妓さん舞妓さんの風習

 往路のみ無言、往路復路とも無言など、何種類かのパターンがあるようです

・祇園祭の間(1ヵ月)は、胡瓜を食べない
 八坂神社の紋と、胡瓜の切り口が似てることから

八坂神社の紋 祇園守りの紋
八坂神社の紋 祇園守りの紋(もともとの八坂神社の紋)


*紋は講習会資料より   

 祇園守りの紋、変わってますね~
 今でも「山」の傘に見られることがあるそうですよ

・鉾の屋根の上にいる「屋根方」は、鉾が当たらないように、電線などの障害を調整する
 この人たちは、「人」ではなく、「鳥さん」と呼ばれている
 神の宿った稚児さんの頭上にいることから、そう呼んでいる



◇◇今月の京菓子◇◇

柏谷光貞の行者餅 柏谷光貞の行者餅



なんと今回は、祇園祭の宵山限りのお餅、柏谷光貞の「行者餅」

200年間続いてるこの行者餅、通常は宵山のみ作られる

この講習会のために、今回初めて宵山以外の日に向けて作られたそうです。かなりラッキー♪

クレープ状の皮の中に、白餅と山椒味噌を包んである