京都検定講習会レポート

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京都検定講習会 特別プログラム ~源氏物語と京都~


  日時:2008年4月27日 13:00~15:00
  会場:京都商工会議所
  講師:清水婦久子先生 帝塚山大学教授


講師の先生は、現在、京都文化博物館で開催中の「源氏物語千年紀展」の企画委員
展示内容とも関連付けて、お話は進みました


源氏物語と京都-千年の文化-


◇源氏物語は54の巻からなっています

 [1]桐壺~[54]夢浮橋と順番がつけられたりしますが、
 これは、光源氏の人生に合わせ、時間軸で並べたもので、もともと順番はついてない
 巻ごと単独で鑑賞するもので、当初から1巻1冊で伝えられている
 更に、後に挿入された巻もあり、記された順番は必ずしも時間軸で成立していないそうです

◇源氏物語に描かれた京都・・・「」は巻名

 「夕顔」・・・五条
 「若紫」・・・北山(鞍馬説が有力)
 「葵」 ・・・一条通り
 「賢木」・・・野の宮(嵯峨野?野々宮神社のあたりかどうかは不明)
 「松風」・・・大堰(桂川)

 などなど。どこもよく知ってる場所です
 千年前、物語の舞台がここにあったと思うと、とても不思議な気分

◇光源氏のモデル

 源融(みなもとのとおる)、在原業平、源高明(みなもとのたかあきら)

 源融:邸宅、別荘が光源氏と一致
 在原業平:伊勢物語の作者(モデルの理由は聞き逃しました)
 源高明:系図が光源氏と一致

 この3人がモデルの代表

◇源氏物語を出版した京都

 1650年頃~1670年頃にかけて、京都で10冊の「源氏物語」が出版されました
 これにより大衆に広く読まれるようになります
 また、これらの本が江戸へもたらされ、異版(海賊版)が出回ります

 京都で出版された本の中に、
 山本春正(しゅんしょう)の 絵入り版本「源氏物語」(1650年)という本があります
 源氏物語初の絵入り版本で、場面を描いた絵が添えられ人気
 
 この本、今でも古本屋さんでたまに出回っているそうです
 興味のある方は、探されてみてはどうですか?1冊2、3万円くらいだそうです


<<源氏物語千年紀展>>

開催期間:2008年4月26日~6月8日
会場:京都文化博物館

源氏物語がなぜ千年も伝わってきたのか、その魅力を伝える展覧会
単に美術作品を伝えるのではなく、物語の名場面にこだわって紹介されているそうです

絵入り版本「源氏物語」の文庫本タイプも展示されています
これは与謝野晶子が愛読していたもの
与謝野晶子は、源氏物語最初の口語訳を出すことになります

ちなみに、開期中の展示替えが5回あるそうです


お土産でいただいた本:『光源氏と夕顔』


身分違いの恋。清水婦久子先生著 『光源氏と夕顔』