京都検定講習会 特別プログラム
桂離宮の建築と庭園 -数奇屋建築の見方・楽しみ方-
日時:2009年7月18日 13:00~15:00
会場:京都商工会議所
講師:中村昌生先生 京都工芸繊維大学名誉教授
多年にわたり茶屋・数奇屋の研究と創作を通じて、日本建築の伝統を探求
財団法人京都伝統建築技術協会を設立。現在理事長。
桂離宮、昭和の大修理に関与される
■ 中村昌生先生 著書 ■
数奇屋造りとは、どんな建築様式で、どう楽しめばいいのか。
今日はこの疑問をスッキリできる!そう思っていたが
そのあたりの解説はほとんどなく、桂離宮の解説がメインだった。。
なので、今回のレポートは、まずは「数奇屋造り」を調べてからということにします
『数奇屋造り』って?
「数寄」(数奇)とは和歌や茶の湯、生け花など風流を好むことで、
「数寄屋」は「好みに任せて作った家」といった意味で茶室を意味するそうです。(Wikipediaより)
数奇屋造りは、茶室風を取り入れた住宅様式で、自然のものをうまく使い、
さりげない気遣いで、庭と建物が一体となって住まいを形成する
安土桃山時代、武家社会では書院造が確立されていたが、
格式ばった意匠や豪華な装飾をきらった茶人たちは、庭に面した小規模な数奇屋を好んだ
建築的には、「数奇屋造り」は書院造の系統であり、「数奇屋風書院」と呼ばれる
今日の和風建築の元となる様式
では、レポートを
桂離宮の一般拝観は、庭を一周するコースで、御殿は老朽化のため拝観できなかった。
昭和の大修理後議論されたが、結局、拝観コースには入らなかった。
桂離宮は八条宮智仁親王、智忠親王父子によって造営された山荘
納涼と月見が大きな目的だった
古書院と月波楼が最初に建てられ、中書院、楽器の間、新御殿の順に建て増し
雁行状(がんこうじょう):雁が飛んでいくような形
(スライドを見ながら、桂離宮を一周し解説してくださる)
■垣■
笹垣:生きてる竹の竹垣。一定の高さで竹を押し曲げて編んでいる。
垣を維持するため、絶えず竹を育てている。桂垣。
穂垣:太竹に水平に細い竹枝を積み上げる。桂垣と思われているのは間違い。
■灯籠■
路地の足元を照らすもの。台のある灯籠は一基もない。
岬の灯籠:水辺を照らすもの。大徳寺・孤篷庵(こほうあん)に模倣がある
三光灯籠:水面を照らすには地面に置くのがいい。火袋と屋根だけの灯籠。
※:灯籠の構造 (上から)
宝珠:笠の頂上にある飾り
笠:火袋の屋根
火袋:灯火が入る部分
中台
竿:柱の部分
基礎:最下部の六角形や丸型の部分
■月見台■
桂離宮を「日本建築の世界的奇跡」と絶賛したドイツ人建築家のブルーノタウトは、
月見台から連なる庭の眺めを「泣きたくなるほど素晴らしい」と賞した
<まとめ> 桂離宮の見方、楽しみ方
・何気ないつくりが桂離宮の基本
・格式を表す要素、格式的なものは取り払われている
・ひなびてる。少しも気取ったところがない。
講習会の冒頭、「桂離宮の本質を探るには、茶の湯の研究が必要」と話された意味が理解できた
それから、古田織部の名前がよく出てきた。キーワードかもしれない。
おみやげに・・・
財団法人)伝統文化保存協会発行 写真集 「桂離宮」をいただく
講習会内容はほぼこの本で復習OK
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