京都検定講習会レポート

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京都検定講習会 特別プログラム 

 親鸞と鎌倉仏教


  日時:2010年4月24日 13:00~15:00
  会場:京都商工会議所

  講師:末木文美士先生 国際日本文化研究センター教授

       ご専門は仏教学


  ■ 末木文美士先生 著書 ■

日本仏教史 鎌倉仏教形成論 鎌倉仏教展開論 日本宗教史


親鸞と鎌倉仏教


1.鎌倉仏教を見直す

 鎌倉仏=鎌倉時代の仏教

 鎌倉新仏教中心史観-新仏教中心、宗祖中心
 顕密体制論(黒田俊雄)-顕密仏教(総合仏教)と異端派(新仏教)

 鎌倉時代を、親鸞・道元・日蓮らが代表する新仏教の時代と見るのは、一面的な見方にすぎない
 鎌倉仏教観を変えた顕密体制論をさらに超えて、この時代の思想を総合的に捉える必要性 


2.親鸞の生涯

 1173年 親鸞誕生。父 日野有範

 1181年 9歳。慈円のもとで出家得度

 1201年 29歳。六角堂に参籠。聖徳太子示現の文を受け、法然の門に入る

 1204年 32歳。法然の『七箇条起請文』に綽空として署名
                   
 1205年 33歳。『選択本願念仏集』を書写。善信と改名

 1207年 35歳。専修念仏停止。越後流罪

 1211年 39歳。信蓮房誕生。赦免

 1212年 40歳。法然寂

 1214年 42歳。三部経千部読誦を志し、中止

 1224年 52歳。覚信尼誕生

 1234年 62歳。この頃、帰京
      五条西洞院に住む(光円寺)。後に弟尋有の善法院に移る

 1262年 90歳。11月28日没


 三つの夢告

 (1)1190年 19歳 磯長の聖徳太子の霊廟に詣でる
 (2)1200年 28歳 無動寺大乗院にて如意輪観音の示現
 (3)1201年 29歳 六角堂に百箇日の参籠、救世観音の示現


 伝記-『親鸞聖人伝絵』覚如、『親鸞聖人正明伝』伝存覚(覚如の子)

 確実な史料-親鸞の著書、『恵信尼文書』
          外部の史料はほとんどない。著作のみ。

 最近の研究-『親鸞』赤松俊秀(吉川弘文館)、『親鸞』平松令三(吉川弘文館)
          『親鸞とその時代』平雅之(法蔵館)、『親鸞再考』松尾剛次(NHKブックス)
          『親鸞・封印された三つの真実』佐々木正(洋泉社)
          『親鸞読み解き事典』林智康他(柏書房)


3.親鸞の思想

 親鸞思想の展開
  蓮如
  近代的解釈-清沢満之

 

最後に

 「宗派別に考えるのではなく、もっと自由なものの見方で考えると、
  中世の仏教史の見方は大きく変わっていく」


お土産でいただいたもの:

  末木文美士先生の著書 『日本仏教史』



※専門的なお話で、私には少し難し過ぎたようです。
 なので、レジメ中心のレポートとさせていただきました。
 いただいた本を読んで、勉強したいと思います。